358ナミラボのはじまりー母ちゃんが3人を抱えて走るまで
🌿 ナミラボ358号室のヘッダーができるまで
― 母と子の「今日も発見、ありますか?」
朝の支度。
弁当箱、洗濯物、プリント、そして「ママ〜これどこ!」。
今日もドタバタな一日がはじまる。
でも、そんな日常の中でふと生まれる、
「どうして?」「これなに?」という小さな声。
その瞬間こそ、私にとっての“研究テーマ”なのかもしれません。
🍀 「母が三人を抱えて走る」イメージから
このヘッダーの絵は、私と三人の子どもたちです。
母が全力で走り、その上で、子どもたちが笑いながらはしゃいでいる。
イラストレーターさんにお願いしたとき、私はこう伝えました。
「私が三人を抱えて走る。
私の上に乗っかって、子どもたちがはしゃいでいる。
そんな“ドタバタした母ちゃん”の絵にしてください。」
だって、それが私の毎日だから。
走って、転びそうになって、でも笑って、また走り出す。
それでもどこかでちゃんと、「発見」があるんです。
🌱 「今日も発見、ありますか?」
この言葉は、私自身への問いかけ。
母として、研究者として、
いつも何かを抱えて走る自分に、
「今日も見つけた?」と声をかけるような感じです。
子どもの言葉にハッとしたり、
予想外の失敗に笑ってしまったり。
そんな瞬間にこそ、“学び”が転がっている。
🕊 教員としての日々、母としての時間
大学教員だったころ、私は朝早く研究室に入り、
授業をして、大学の仕事をして、国内外の出張で飛び回り、
休日はオープンキャンパスと入試対応をして、夜は就活を控えたゼミ生たちの相談にのるという。
帰宅するのは、みんなが寝てから。
静まり返った部屋で子どもの寝顔を見ながら、
「今日も一緒にご飯を食べられなかった」と思う――
それは、実はほとんど毎日のことでした。
夜遅く、保育園の連絡帳を開いて、
「今日はお友だちにありがとうが言えました」
「お昼寝のあと、自分で靴下をはきました」
そんな小さな記録をひとつひとつ読みながら、
その日会えなかった時間を埋めるように、
子どもたちの成長を噛みしめていました。
あのページたちは、私にとって
“母の研究ノート”のようなものでした。
それでも私は、
いつも「ちゃんとしなくちゃ」と思っていました。
家のことも、仕事のことも、
ぜんぶきっちりやらなくちゃって
でも、そんなふうに背伸びしていたからこそ、
ときどき息ができなくなる夜もありました。
でも、実際にはできていなかった。
忙しさにかまけて、
仕事に逃げた部分がなかったと言えば――それは嘘になります。
だからこそ、立ち止まった時、
子どもたちに申し訳ない気持ちがあふれ出してきました。
🌸 それでも、私は「パジャマ登園の子たち」の母でした。
そんな私ですが、
朝のバタバタの中で、子どもをパジャマのまま登園させたこともあります。
仕事も家も、どちらも中途半端に感じていたあの頃。
でも振り返れば、あの“抜けた朝”にも、
ちゃんと愛情とユーモアがありました。
ナミラボは、完璧を目指す場所ではなく、
笑って、泣いて、怒って、また笑う――
そんな日常の中にある「学び」を集めた小さな実験室です。
🌾 小さな「なぜ?」が、世界を変える。
サブタイトルにあるこの言葉には、
母として、教育者として、
私が信じてきたたった一つのことを込めました。
どんなにバタバタしていても、
「なぜ?」と感じる心を持ち続けること。
それが、子どもたちの未来を、
そして私自身の世界を、少しずつ変えていく力になるのだと思っています。
🌸 走りながら、笑いながら、生きていく。
このヘッダーは、完璧な母の姿ではありません。
むしろ、ドタバタしながらも前へ進もうとする、
“今この瞬間の母”の姿です。
そんな毎日の中で、
一緒に笑って、一緒に学んでいけたら――
ナミラボは、そんな「生きる実験室」でありたいと思っています。
🌿
これが、ナミラボのヘッダーに込めた想いです。
「今日も発見、ありますか?」
そう問いながら、私はまた走り出します。