また学校から電話が来た夜、親の心に起きていること──子どもを責める前に知ってほしいこと

また学校から電話が来る。

その着信音だけで、胸の奥がざわつく親御さんもいると思います。

何があったのだろう。
またうちの子だろうか。
今度は何を言われるのだろう。

電話に出る前から、心はもう疲れはじめています。

先生に申し訳ない。
いつも迷惑をかけてしまっている。
ちゃんと育てられていない親だと思われているのではないか。

そんな気持ちになることもあります。

けれど、電話を切ったあと、親の心の中には、もう一つ別の感情が生まれます。

どうしてまた同じことをしたの。
何度言ったら分かるの。
こっちだってつらいのに。

本当は子どもを守りたいのに、なぜか怒りが子どもへ向かってしまう。

今日は、そんな夜に親の心の中で起きていることを書いてみたいと思います。


親もまた、傷ついています

学校からの電話は、事実を伝える連絡です。

けれど親にとっては、それだけでは終わりません。

また注意された。
また問題が起きた。
また、うちの子だけ。

そう感じてしまうことがあります。

子どものことを言われているようで、
自分の育て方や家庭そのものを否定されたように感じてしまう夜もあります。

だから苦しいのです。


怒りは、心を守るために出てくることがあります

電話を切ったあと、強く怒ってしまう親御さんもいます。

どうしてまたやったの。
何回目なの。
ちゃんとしてよ。

そう言ってしまったあと、自分を責める人も多いと思います。

でも、怒りだけが本音ではないことがあります。

本当は、

恥ずかしかった。
情けなかった。
不安だった。
この先どうなるのか怖かった。

その苦しさをそのまま抱えきれず、怒りの形で出てしまうことがあります。

怒りは、心の弱さではなく、心の防御でもあるのです。


その日、いちばん苦しかったのは誰でしょう

ここで、少しだけ見方を変えてみてほしいのです。

電話が来たということは、子どもも学校で何かうまくいかなかった一日を過ごしたのかもしれません。

注意された。
叱られた。
友達に見られた。
恥ずかしかった。
言い返せなかった。
うまく説明できなかった。

そして、家に帰ってきた。

親も苦しい。
それは本当です。

でも、その日いちばん長く苦しい時間を過ごしていたのは、子どもだったかもしれません。


親がその夜、すぐに答えを出さなくていい

電話が来ると、親はすぐ何とかしなければと思います。

叱らなければ。
約束させなければ。
二度と起こさせないようにしなければ。

でも、その夜にすべてを解決しなくていいのです。

親も傷ついている夜に、完璧な対応などできません。

子どもも傷ついている夜に、うまく話せないことがあります。

そんな日は、

今日はみんな疲れたね。
また明日、落ち着いて考えよう。

それだけでもいい夜があります。


問題より先に、守るものがあります

直さなければならない行動は、たしかにあるのかもしれません。

でも、その前に守らなければならないものがあります。

子どもの自己肯定感。
家が安心できる場所だという感覚。
失敗しても味方がいるという信頼。

学校でうまくいかなかった日に、家まで怖い場所になってしまったら、子どもは休む場所を失ってしまいます。


親だって、責められなくていい

何度も学校から連絡が来ると、

私が悪いのだろうか。
もっと厳しく育てるべきだったのか。
ちゃんとした親なら違ったのか。

そう思ってしまうことがあります。

でも、子育ては一人で完成させるものではありません。

子どもには個性があります。
学校との相性もあります。
その時期の揺らぎもあります。

親だけが背負う話ではないのです。


おわりに

また学校から電話が来た夜。

親の心には、申し訳なさも、怒りも、不安も、情けなさも押し寄せます。

でも、その怒りの奥には、わが子を守りたい気持ちがあるのだと思います。

どうか、その夜だけで親子の関係を決めないでください。

苦しい夜はあります。
うまくできない夜もあります。

それでも、味方でいたいと思っている親の気持ちは、ちゃんと子どもに届いていくことがあります。

もし今、同じような夜を過ごしているなら。

繰り返し注意される子どもを守るために、親ができる具体的な動き方はこちらにも書いています。

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※本記事は、現在の医学的知見と専門家の説明、そして私がジェンダーを基盤に多領域を横断して学んできた理解にもとづいています。研究は日々更新されるため、新しい見解が示される可能性があります。