子どもでもヘルプマークは使える?|はるに必要だった小さくて大きな支え
外から見ただけでは、困りごとはわからない。
はるは、そういう子どもでした。
歩ける。笑える。会話もできる。
けれど、片耳が聞こえにくく、音を痛みとして感じてしまう聴覚過敏もありました。
見た目には元気に見える。
だからこそ、困りごとは周囲に伝わりにくい。
そんなはるにとって、ヘルプマークは小さくて大きな支えになりました。
今日は、受け取るまで迷っていた私たち親子が、実際に助けられてわかったことを書こうと思います。
ヘルプマークは、もっと大変な人のものだと思っていた
正直に言えば、私は最初こう思っていました。
ヘルプマークは、
- 車椅子の方
- 外から見ても支援が必要とわかる方
- 誰が見ても大変さが伝わる方
そういう方が持つものではないか、と。
はるは歩けます。
走ることもできます。
普通に見える日もあります。
だから、
「うちの子が受け取っていいのだろうか」
「もっと必要な方がいるのではないか」
そんな迷いがありました。
でも今思えば、それは制度への遠慮であり、同時に“見えない困りごとは後回しにされやすい空気”を、私自身も受け取っていたのだと思います。
はるには、説明しきれない困りごとがあった
はるの困りごとは、短い言葉ではなかなか伝えられませんでした。
片耳が聞こえにくい。
でも、まったく何も聞こえないわけではありません。
静かな場所なら会話できることもある。
人混みや反響する場所では聞き取りにくいこともある。
さらに、聴覚過敏もありました。
大きな声で助かる時もあれば、
その声が痛みになる時もある。
つまり、
同じ対応が、いつも正解とは限らない
という難しさがあったのです。
大人でも説明が難しいことを、子どもがその場で知らない人へ伝えるのは簡単ではありません。
だからこそ、はるには“先に伝わる仕組み”が必要でした。
迷いながら、ヘルプマークを受け取った日
窓口へ向かう日も、少し緊張していました。
本当に私たちが対象なのだろうか。
詳しく説明しなければいけないのだろうか。
場違いだと思われないだろうか。
そんなことまで考えていました。
けれど実際には、とても静かで自然な手続きでした。
必要な人が、必要な時に使うもの。
そんな空気で受け取ることができ、肩の力が抜けたのを覚えています。
ヘルプマークはどこでもらえる?いくらかかる?
ヘルプマークは、多くの自治体で福祉窓口や障害福祉課、都道府県の配布窓口などで受け取ることができます。
また、地域によっては駅の窓口や交通機関で配布している場合もあります。
費用は無料の自治体がほとんどです。
配布場所や対象条件は地域によって異なるため、お住まいの自治体公式サイトで確認するのがおすすめです。
子どもでもヘルプマークはもらえる?
ヘルプマークは、大人だけのものではありません。
外見ではわかりにくい困りごとがあり、日常生活の中で配慮が必要な方であれば、子どもでも対象になることがあります。
片耳難聴、聴覚過敏、発達特性、内部障害、精神疾患など、見た目ではわからない困難を抱えている方が利用しているケースもあります。
「子どもだからまだ早い」ではなく、必要かどうかで考えてよい制度なのだと思います。
ヘルプマーク本体と、情報カードは別のものでした
受け取る前、私はよくわかっていませんでした。
赤いヘルプマーク本体そのものに、何かを書き込むのだと思っていたのです。
けれど実際には、ヘルプマーク本体は、やわらかいプラスチックやゴムのような素材のマークでした。
症状や連絡先などを書くのは、一緒につけておく情報カードの方でした。
そこに私は、
- 片耳難聴があること
- 聴覚過敏があること
- 苦手な音があること
- 緊急連絡先
- どのように対応していただけると助かるか
などを書き込みました。
子どもが持つなら、カード保護はおすすめです
情報カードは紙だったため、子どもが毎日持ち歩くと、
- 汚れる
- 折れる
- 破れる
- 取れてしまう
そんな心配がありました。
そこで我が家では、そのカードをパウチして使っていました。
雑に扱ってしまう年齢の子どもでも、比較的きれいな状態を保つことができ、これはやって良かった工夫の一つでした。
外出先で、本当に助けられたことがあった
ヘルプマークは、普段は小さな存在です。
けれど、いざという時には大きな助けになりました。
ある時、救急対応が必要になった場面がありました。
たくさん人が集まるイベントにお友達と出かけたはる。
その際、ヘルプマークをつけていたことで状況把握が早く、とても助けられたことがあります。
詳しい事情をその場で長く説明しなくても、
「何か困りごとがある」
「配慮が必要かもしれない」
それがまず伝わるだけで、対応は変わるのだと感じました。
持っていて良かった。
迷っていた時間がもったいなかった。
その時、心からそう思いました。
通販サイトのケースや定期入れという選択肢もある
最近は、通販サイトなどでヘルプマークを収納できるケースや定期入れ、関連グッズを見かけることもあります。
もらいに行く時間が取れない方、窓口で話すことに抵抗がある方にとって、こうした選択肢が気持ちを軽くしてくれることもあるかもしれません。
一方で、自治体などで無料配布されているヘルプマークとは異なり、民間の商品は有料です。
また、地域によって制度の運用も異なるため、まずはお住まいの自治体公式情報を確認したうえで、自分に合う方法を選ぶのが安心だと思います。
「うちの子に使っていいのかな」と迷う方へ
もし今、
- 子どもでも持っていいのかな
- 見た目は元気なのに申し訳ない
- もっと大変な方が優先では
そう迷っている方がいたら、伝えたいです。
困りごとは、見た目の大きさだけでは測れません。
学校へ行けていても、
笑っていても、
外から普通に見えていても、
本人の中では必死に耐えていることがあります。
その困りごとを少し軽くするための制度なら、遠慮しすぎなくていいのだと思います。
はるに必要だったもの
ヘルプマークは、はるを特別扱いするためのものではありませんでした。
弱く見せるためのものでもありません。
はるが、
必要以上に傷つかず、
必要以上に説明を背負わず、
少しだけ安心して外へ出るためのもの。
それだけです。
でも、その「それだけ」が、子どもにはとても大きいのです。
最近は、ファッション感覚でヘルプマークを身につけているという話題を目にすることもあります。
使い方は人それぞれかもしれません。けれど、本来これは、外見からはわかりにくい困りごとを抱える方が、必要な配慮や支援につながりやすくするための大切なサインです。
本当に必要としている方が安心して使えるよう、その意味が丁寧に共有されていけばいいなと思います。
最後に
あの頃の私は、制度を使うことに遠慮していました。
けれど今は思います。
助けが必要な時に助けを借りることは、甘えではありません。
子どもが生きやすくなるための、立派な工夫です。
はるに必要だったヘルプマークは、私たち親子に、安心という小さな支えをくれました。
もし同じように迷っている方がいたら、一度お住まいの自治体の情報を見てみてください。
必要かどうかは、遠慮ではなく、暮らしの中の困りごとが教えてくれることがあります。
※本記事は、現在の医学的知見と専門家の説明、そして私がジェンダーを基盤に多領域を横断して学んできた理解にもとづいています。研究は日々更新されるため、新しい見解が示される可能性があります。