我が子は「困った子」ではなく「困っている子」だった──繰り返し注意される子どもを守るために親ができること

学校から何度も注意されるとき、親はどう動けばいいのだろう──「学校に行きたくない」になる前に。

 

学校からの電話。

その着信音だけで、胸がぎゅっと苦しくなる

そんな親御さんもいると思います。

先生に申し訳ない。
また迷惑をかけてしまった。
家でもっとしっかり言わなければ。

そう思う。

けれど、その一方で、別の気持ちもありませんか。

今日もまた、うちの子は怒られたのだろうか。
みんなの前で注意されたのだろうか。
平気な顔をして帰ってきても、本当は傷ついていないだろうか。

そして、ふと怖くなるのです。

このまま、いつか
「学校に行きたくない」
そう言い出すのではないかと。

申し訳なさと、わが子を守りたい気持ち。
その二つの間で揺れている親御さんは、きっと少なくありません。

 

よく思い返してみてください。

我が子は本当に「困った子」なのでしょうか?

誰から見て「困った子」なのでしょうか?

いつから、誰が我が子を「困った子」と言ったのでしょうか?

 

我が子は「困った子」ではなく「困っている子」かもしれないのです。

 

今日は、学校から何度も注意されるとき、親はどう動けばいいのだろう、ということを書いてみたいと思います。


学校から電話が来た時、親がしてあげたいこと

学校から連絡が来ると、多くの親はまず謝ります。

そうですよね。そうなります。

またかと思いながら。申し訳ない気持ちと、恥ずかしさと、イライラと。

そして、そんな中でも子供はどんな気持ちでいるだろうと言う心配と。

けれど、謝って電話を切り、家で子どもを叱り、また同じことが起きる。
その繰り返しになってしまうことがあります。

何度も同じ注意が続くとき、必要なのは、
ただ謝ることだけではなく、

どうしたらこの子が少し生きやすくなるのか、学校と一緒に考えていくこと

なのかもしれません。

たとえば、

家でも気にして見ているのですが、なかなかうまくいかなくて。
学校で何か良い声かけや工夫があれば、教えていただけませんか。

そんなふうに先生に伝えるだけでも、空気は少し変わることがあります。

先生も、「また注意しなければならない相手」ではなく、
一緒に考える相手になります。

親も、責められているような気持ちだけで終わらず、
次に何をしたらいいかを落ち着いて考えやすくなります。

そして電話を切ったあと、子どもにも、

また怒られたの? ではなく、

こうしたら少し楽になるかもしれないって先生が言っていたよ。
一緒にやってみようか。

そんなふうに、言葉が変わることがあります。

小さな相談は、
先生との関係だけでなく、親の気持ちも、子どもへの関わり方も変えていくことがあります。


「困った子」ではなく、「困っている子」かもしれません

忘れ物が多い。
落ち着きがない。
話を聞いていないように見える。

そういう姿を見ると、大人はつい、

困った子。
何度言っても分からない子。

そんなふうに思ってしまうことがあります。

でも、本当にそうでしょうか。

もしかしたらその子は、

どうしたらいいのか分からない。
一度にたくさん言われると混乱してしまう。
いつも怒られて、自信をなくしている。
頑張っているのに、うまくいかない。

そんなふうに、本人こそ困っている子なのかもしれません。

我が子は「困った子」なのではなく「困っている」という視点で状況を一度整理してみると、

これまでとは違った対応ができるようになるかもしれません。

それは子どもを守る大切な一歩になる気がします。


最初の5分の相談が、その後を変えることがあります

先生方は忙しい。
いつも走っているように見える。

だから、

こんなことで声をかけていいのかな。
迷惑ではないかな。

そう思ってしまう親御さんもいると思います。

でも、ほんの5分でもいいのです。

「うちの子は持ち物の管理が少し苦手で」
「一度にたくさん言われると混乱しやすいところがあります」
「家でも工夫しているのですが、何か良い方法があれば教えてください」

そんなふうに伝えておくことには、大きな意味があります。

何も知らなければ、

またやっている。
何度言っても変わらない。

そう見えてしまうこともあるでしょう。

でも、最初に一言あれば、

そうだった、この子はここが苦手だった。
伝え方を変えてみよう。

そんなふうに、見方が少し変わることがあります。

新年度、最初のその5分は、迷惑ではなく、
一年を穏やかにする時間かもしれません。

その5分を遠慮してしまうことで、後から何度も苦しい電話を受けることもあります。

「最初の5分は、未来の自分たち親子を助ける時間になる」そう思って勇気を出して伝えてみてはどうでしょう。


学校の中に、見てくれる目を増やす

親は学校の中を見ることができません。

教室でどんな顔をしているのか。
休み時間、ひとりでいないか。
注意されたあと、どんな気持ちで席に戻っているのか。

家では分からないことがたくさんあります。

だからこそ、学校の中で気にかけてくれる目を増やすことには意味があります。

担任の先生だけでなく、

学年主任の先生
保健室の先生
スクールカウンセラー
支援の先生

話を聞いてくれそうな方に相談してみるのも一つです。

「ご存知かもしれませんが、うちの子供…。」

こんなことで困っている。と言うことを伝え相談しておくことで

親の目の届かない学校の中での子供を見てくれる人の目が増えることは子供にとっても親にとっても

助けになることがあります。

 

何かあったときに多角的な視点、考え方があると言うのは非常に良いことです。

そして、相談するときに、こんな姿勢でお話ししてみるのもいいと思います。

うちの子も悪いところはあると思っています。
家でも少しずつ見ていきたいのですが、家でも学校でも毎日注意が続くことで、この先、「学校に行きたくない」と言い出さないか少し心配しています。
どうしたら本人が少し前向きに過ごせるか、一緒に考えていただけたらありがたいです。

 

ほんの少しの相談で、子どもを見てくれる目が増えていく。学校という見えない空間に子供を気にしてくれる人、

見方の違う人を作っておいてあげるのは、親だからこそできることです。

 


電話のあと、家でしてほしいこと

親も傷ついています。
動揺しています。

だからこそ、そのまま子どもにぶつけたくなる日もあります。

また電話きたよ。
なんで何度言ってもできないの。

そう言いたくなる気持ちも、分かります。

でも、もし少しだけ踏みとどまれたなら、

今日、学校でしんどかったね。
どうしたら少し楽になるか、一緒に考えようか。

そう声をかけてあげてほしいのです。

学校で頑張って、怒られて、帰ってきた子どもに必要なのは、
家でもう一度叱られることではなく、
味方がいる安心感だと思うのです。


親が全部背負わなくていい

何度も注意されると、

私の育て方が悪いのでは。
しつけが足りないのでは。

そう思ってしまうことがあります。

さらに、そう思われてしまうのでは?というザワつき。

でも、すべてが親の責任ではありません。

子どもには個性があります。
発達のペースがあります。
環境との相性もあります。

親が一人で全部背負わなくていいのです。


おわりに

学校から何度も注意されるとき、親は苦しいものです。

謝りたい。
でも守りたい。

その二つの気持ちの間で揺れます。

けれど、どうか忘れないでください。

その子は、困った子ではなく、
困っている子かもしれません。

親にできることは、謝ることだけではありません。

伝えること。
相談すること。
味方でいること。
見てくれる目を増やすこと。

その小さな一歩が、子どもを守る力になることがあります。


※本記事は、現在の医学的知見と専門家の説明、そして私がジェンダーを基盤に多領域を横断して学んできた理解にもとづいています。研究は日々更新されるため、新しい見解が示される可能性があります。