怒りたかったわけじゃない。子どもを守りたい親が、今夜できる小さな立て直し方

また怒ってしまった…。                                                                             反省する。そんな夜があります。

学校から電話が来た日。
先生に注意されたと聞いた日。
同じことで何度も呼び出された日。

親だって、平気ではいられません。

申し訳ない。
情けない。
この先どうなるのだろう。
私の育て方が悪いのだろうか。

いろいろな感情が押し寄せてきて、帰ってきた子どもに強く言ってしまうことがあります。

でも、本当は怒りたかったわけではない。

今日は、そんな夜に親の心も子供の心も疲弊させず、少し立て直すための小さなヒントを書いてみたいと思います。


強く言ってしまう親の中にあるもの

怒られたらかわいそう。
周りに嫌がられたら胸が痛い。
泣いている姿を想像すると、苦しくなる。

だからこそ、

先に言っておかなくちゃ。
また同じことになる前に止めなくちゃ。

その思いが強すぎて、きつい言葉になってしまうことがあります。

だから、怒ってしまうのは、その子のことを考えていないからではなく、むしろ、優しい気持ちからなのです。


怒りの奥にあるのは、守りたい気持ちです

子どもに怒ってしまったあと、

またやってしまった。
なんであんな言い方をしたのだろう。

そう自分を責める親御さんも多いと思います。

けれど、その怒りの奥にあるのは、どうでもよさではなく、むしろ逆です

この子が心配。
このままで大丈夫だろうか。
学校で嫌な思いをしていないだろうか。

守りたい気持ちが強いほど、苦しくなってしまうことがあります。


その夜に、全部解決しなくていい

電話が来た日ほど、親は焦ります。

今日のうちに話し合わなければ。
反省させなければ。
二度と起こさないようにしなければ。

そう思ってしまうものです。

でも、その夜にすべてを解決しなくていいのです。

親も疲れています。
子どもも学校で消耗しています。

そんな夜に深い話し合いをしても、言葉がぶつかるだけのことがあります。                                                      今夜は、眠れる着地点を探すだけでも十分です。


“状況把握”まででいい夜があります

子どもに何かあった日、親は全部知りたくなります。

誰が悪かったの?
なんでそうしたの?
先生は何て言ったの?
あなたは何て返したの?

でも、命に関わることや緊急性の高いことでなければ、今夜はそこまで掘り下げなくていいこともあります。

たとえば、

お友達にけがをさせてしまった。
などといった大きなトラブル以外であれば、

まずは事実確認だけで十分な夜もあります。

今日、何があったの?
そうか。わかったよ。                                                                              教えてくれてありがとう。                                                                              話すのもつらかったね。

そこまでで止めていいのです。

 

また同じこと…と思った時に、少し立ち止まってみてください

この文章を読んで、

また同じことを繰り返している子に、明日になったら大丈夫なんてあるわけがない。

そう思う方もいるかもしれません。

たしかに、何度も同じようなことで注意されると、親は苦しくなります。

またなの?
いつになったらわかるの?

そう思ってしまう日もあるでしょう。

けれど、本当に“ずっと同じ”なのでしょうか。

少し立ち止まって見てみると、子どもは少しずつ変わっています。

前より言葉が増えた。
前より我慢できる時間が伸びた。
前より泣く回数が減った。
前より戻ってくるのが早くなった。

大きな変化ではなくても、確かに育っています。

年少さんと年長さん。
同じ子でも、まったく違います。

それなのに、

また同じこと。
ずっと変わらない。

そう見えてしまう時、私たちは“困りごと”だけを見てしまっているのかもしれません。


子どもの心に残るのは、何でしょう

子ども時代を振り返った時、子供たちの心に残るのは何でしょう。

毎日怒られた記憶でしょうか。

それとも、

学校で怒られて帰ってきた日に、話を聞いてくれた親の顔でしょうか。


「また…」と思った時は、大きくうなずくだけでもいい

子どもの話を聞いていて、

またそれ?
また同じ話?

そんな気持ちになった時は、言葉を急がなくてもいいのです。

ただ、大きく

うん。
うん。

とうなずいてみるのはどうでしょう。

それだけで子どもは、

今日も受け止めてもらえた。

そう感じることがあります。


お風呂は、親子がやり直しやすい場所です

怒ってしまったあと、リビングの空気が重くなることがあります。

そんな時は、お風呂で少し話してみるのもいいかもしれません。

横並びになれる。
目を合わせすぎなくていい。
湯気の中では、言葉も少しやわらぎます。

「次の夏休み、どこ行きたい?」
「今年は海と山、どっちがいい?」

そんな未来の話でもいいのです。

子どもは、まだ怒っているかな、嫌われたかな、と感じていることがあります。

怒られるかもと思って、身も心も縮めているかもしれません。

でも、学校から連絡があったということは、子供は既に学校で身も心もギュッと縮めて苦しい思いはしてきているはずです。

だからこそ、ひと通り話を聞いた後、未来の話をすることは、
これからも一緒にいるよというメッセージになります。

それに、親だって泣いてしまう夜があります。
そんな時も、お風呂ならそっと顔を洗えます。


親が整うことも、子どもを守ることです

怒ってしまった夜、親の体も心もこわばっています。

そんな日は、少し長めに湯船に浸かったり、好きな香りをほんの少し取り入れたりして、自分を戻してあげてもいいと思います。

親が落ち着くことは、わがままではありません。

コーヒーを淹れて一息つく。

チョコレートをひとかけら。

好きなドラマで気分転換もいいと思います。

親が整うこともまた、子どもを守る一つの方法なのです。

 


明日の朝、やり直せます

今夜うまくできなかったとしても、大丈夫です。

子育ては、その夜一回で決まるものではありません。

朝、

「おはよう。」
「いってらっしゃい。」                                                                              「気をつけてね。」

それだけで、やり直せることもあります。


おわりに

怒ってしまった夜。
泣いてしまった夜。
自己嫌悪で眠れない夜。

そんな夜を経験した親は、少なくないと思います。

でも、それは愛情がないからではありません。

守りたいのに、うまくできなかった夜です。

親も人です。
失敗する夜があります。

どうか、その一夜だけで、自分を責めないでください。

明日の朝、またやり直せます。


※本記事は、現在の医学的知見と専門家の説明、そして私がジェンダーを基盤に多領域を横断して学んできた理解にもとづいています。研究は日々更新されるため、新しい見解が示される可能性があります。